MBTIとエニアグラム、この2つの性格診断は、個人の秘めた性格を知るという意味では似ています。
しかし、それらの診断の基本理論は全く異なるものです。この記事では、エニアグラムとMBTIの違いを、初心者にもわかりやすく解説します。是非ご覧になって、潤いのある人生の道しるべになさってください。
目次
エニアグラムとMBTIの違いとは?
前述したように、エニアグラムとMBTIはその理論が全く異なる性格診断です。
- エニアグラム
- 性格類型の一つ(根源的恐れ・根源的ルール・根源的要求)を9つの気質に分類した性格学および人間学のこと
- MBTI
- 個々の心理機能(各人の性格を、心の働きと振舞いの側面から診断し、それぞれ16通りに分類したもの)
エニアグラムとMBTIの共通点は、どちらも「性格」という言葉を使っているので『結果は同じなの?』と理解に困る人もいることでしょう。
それでは最初に、エニアグラムについて、わかりやすく解説しましょう。
エニアグラムとは何?
エニアグラムとは、ギリシャ語で「9つの点を持った幾何学図形」という意味です。(※エニア=9、グラム=図形という認識になります)エニアグラムは、1950年以後に、この幾何学図形を基として発展した性格タイプ論です。
具体的には、人間を9つの性格に分類したもので、個々の心の機能を写し出した図形といえるでしょう。エニアグラムの起源は、ギリシャ哲学が主なルーツといわれてますが、遙か昔ピタゴラス時代に遡って使用されてたとも言われています。
他方、エニアグラムは、現代にあっては心理学の併用として教育機関に取り入れられ、カウンセリング・ビジネス・コーチング等、多くの分野にも使われている性格診断です。
エニアグラムの9つの性格タイプ
エニアグラムの9つの性格タイプは、主に、下記のような特性を持っています。
- タイプ1:革新的な人
- 責任感が強く、倫理的で真面目
- 正義主義者で善悪のけじめがはっきりしている
- 規律正しく、鋭い洞察力と高い信念を持つ反面、怒りやすく短気である
- タイプ2:救済する人
- 慈悲深く、温かな思いやりに満ちあふれている
- 対人関係を重要視し、他者には無条件の愛を持って献身的に尽くす
- 自分の必要的な存在を他者に認めてもらいたいという欲求がある
- タイプ3:実践する人
- 向上心が旺盛でエネルギッシュ
- 自信に満ちており、無限の可能性を追求する成功志向型
- 競争心が非常に強く仕事中毒の恐れも
- タイプ4:個性的な人
- 控えめでロマンティスト
- 自分の心に正直ゆえに心が傷つきやすい
- 自分自身をよく知っており、創造的で私的な関わりを大切にする反面、自意識過剰になって自分は特別と感じやすい
- タイプ5:探求する人
- 鋭い洞察力に秀でており、知的好奇心の旺盛な人
- 繊細な思考や高いスキルをより向上させることに全力を傾け、英知を存分に発揮しようとする
- 独創的で自分の世界観を持っているが、他者がその頭脳について行けず、孤立しやすい問題を抱えている
- タイプ6:律儀な人
- 責任感が強く、頼りがいがあり、常に心が安定している
- 物事に真剣に関わり、面倒な難題の処理にも秀でている
- 周囲との強い協力関係を築ける人だが、時として反抗的になったり、自信喪失になる場合もある
- タイプ7: 熱情的な人
- 楽観的で多種多様な才能を持っている
- 感謝と喜びに満ちており、一つひとつの目標クリアに充実感を感じている
- 忙しすぎて自制心をなくしやすく、せっかちで気が散りやすい
- タイプ8: チャレンジする人
- 強い意志と決断力で自信に満ちあふれており、力強い行動を行える人
- 自分の熱量と英断で、他者の人生を向上させようとする
- 場合によっては威圧的になり、自己の弱い面を認識しようとしない
- タイプ9: 安穏をもたらす人
- 平和的な人で、常に心が安定した控えめな人
- 創造的かつ楽観的でのんびりしている
- 異なる他者の気持ちをひとつにし、穏やかな雰囲気を作り出せる一方で、頑固さがある場合も・・・
エニアグラムは自分の可能性を伸ばす道しるべ
エニアグラムは、上記の9つのパターンを具体的に示唆するものであり、元来持つ自分の豊かな可能性を伸ばす道しるべです。
人間関係においても、性格が異なるために生じる食い違いや、他者との不協和音といった問題提起に終わらせず、パターン意識によって精神を向上させるための糧になっています。
もっとも、エニアグラムの性格テストは、機械的に人間を分別する訳ではありません。本来の自分をしっかり認識する過程が重要ポイントとなるのです。そのため、自己認識よりも一歩深く「本当の自分」を見いだす方法や、客観的な目線から「自分の内面を深く知る」ためにもグループワークが重宝します。
そうした、本来の自分を探求する過程そのものが、自分を向上させるための重要ポイントといえるでしょう。
MBTIとは何?
MBTIは、ユングの心理学的タイプ論の思考を基に、①知覚機能(情報収集及び情報認識)、②判断機能(情報整理及び情報解釈)といった、2つの心理機能を分類したものです。
これら2つの心理機能にも千差万別であることに着目し、知覚機能・判断機能を更に、
①感覚(S)・②直感(N)・③思考(T)・感情(F)
といった4つの機能に分類しています。なお、これらの心理機能は、個々の性格を「心の働きと側面」を捉えています。
さらに、その4つの機能を16タイプに分類し、それぞれの特徴やその人の抱える問題を調整し、各人の成長や他者との違いを把握すると共に、他者との対人関係を良いものにするために活用することができます。
MBTIは就職や転職に役に立つ
例えば、あなたが、現在の職場が合わずに転職を検討中とします。エニアグラムでは、転職することによる感情を主に推する性格診断です。
一方で、MBTIは、本来持って生まれた自分の性格傾向を簡潔に導き出すものです。また、心理機能をビジネスの立場からも有益に捉えており、その有益性は、人間の心の成長に関わる全ての場面で活用できます。
それでは以下より、MBTIによる心理機能の特徴を簡単に見てみましょう。
- 感覚機能(S)
- いわゆる五感を利用したり、本来の自分の姿を認識するための機能です。
- 【外向的感覚(Se)】
- 実践的で行動力に秀でた機能です。この機能が強い人は、エネルギッシュなリーダー的存在です。
- 【内向的感覚(Si)】
- 現在、自分が置かれた状況を落着いて把握することができ、さらに、その場に根ざした結論を出せる人です。
- 【外向的感覚(Se)】
- いわゆる五感を利用したり、本来の自分の姿を認識するための機能です。
- 直感機能(N)
- 物事の見えない部分の「洞察力」に秀でた機能です。
- 【外向的直感(Ne)】
- アイデアが豊富で、想像力と発想力・そして柔軟性に富んでおり、自分がいかに楽しむかを重点にするタイプです。
- 【内向的直感(Ni)】
- 物事の本質や核心を鋭く見抜く力があり、一人で突き進む人です。
- 【外向的直感(Ne)】
- 物事の見えない部分の「洞察力」に秀でた機能です。
- 思考機能(T)
- 分析力に秀でており、物事を客観的に見て判断する人です。やや理屈っぽくもあります。
- 【外向的思考(Te)】
- 正義感が強く、困難な課題にも勇敢に立ち向かう人です。いかなる批判にも屈せない非常に強い人です。
- 【内向的思考(Ti)】
- 自分の意志や価値観をしっかり持っています。思慮深く、他者から一定の距離を置いた視線で物事を見極める人です。
- 【外向的思考(Te)】
- 分析力に秀でており、物事を客観的に見て判断する人です。やや理屈っぽくもあります。
- 感情機能(F)
- 【外向的感情(Fe)】
- 他者への協力を惜しまず、人間関係を良いものにしようとします。もっとも、心が穏やかで優しさに秀でている人です。
- 【内向的感情(Fi)】
- 自分の価値観を大切にする人です。自分の存在が相手に受け入れてもらいたいと考え、どうしたら居心地がベストになるかを考えます。
- 【外向的感情(Fe)】