類型論と特性論について、ビッグファイブは特性論でMBTIは類型論。他にも有名な論を紹介します

人の持つそれぞれ違った性格や特徴は、一体どのように捉え、考えることが有能でしょうか。心理学では人の性格(パーソナリティ)を「類型論」と「特性論」の大きく2つに分類しています。
この記事では、「類型論」と「特性論」の持つ特徴について、さらにそれらのメリットやデメリットをわかりやすく解説します。

類型論と特性論

人の人格を判断する理論には、「類型論」と「特性論」の2つの理論があります。
それでは、以下より2つの理論をくわしくみてみましょう。

類型論とは?

類型論は、人の性格を数種類に分類することで、その人の特徴を当てはめる当てはめる方法をいいます。

血液型を例にとるならば、「0型の人は楽天的な傾向」等の当てはめ方をしますが、これは類型論のもつ特徴の一つです。また、声が大きいから元気な性格とか、声が小さいから弱い性格といった表現をするように、大雑把にその分類に当てはめて考えるのが類型論です。

類型論の代表的な理論

それでは、以下より、類型論を提唱した代表的な人物をみてみましょう。

ユングの「内向型」と「外向型」タイプ論

心理学における三大巨匠の一人、スイスの分析心理学の創始者となる【ユング】は、人の性格を「内向型」と「外向型」という2つのタイプに分類しました。

  • ①【内向型】:個人の持つ内的環境に心のエネルギーが向かいやすい
  • ②【外向性】:周囲(他者)の外的環境に心のエネルギーが向かいやすい

また、人が生まれ持った心理機能を「感覚・直感・感情・思考」の4つの機能に分類しています。

①【感覚機能】:視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚といった五感を通じて、感じ取った情報を、そのまま受取るタイプ

②【直感機能】:〝ひらめき〟によって物事の本質を捉えるタイプ

③【感情機能】:何等かの出来事によって生じる〝自分の心の動きを〟最優先に考えるタイプ

④【思考機能】:客観的な視点から物事を分析したり判断するタイプ

これらをさらに8つのタイプに細かく分類して考えているのがユングの類型論です。

クレッチマーの「体格」タイプ論

ドイツで精神科医師として活躍するクレッチマーは、精神的な疾患患者の体格や体型によって、以下のように3つの「体格・気質類型」を提唱しました。

①【分裂気質(統合失調症)】:痩せ型で細身の体型。非社交的で繊細で内気。真面目で敏感でありながら鈍感でもある。

②【循環気質(躁鬱病)】:肥満型で社交的。融通が効き温和で柔和な部分と激高さが交互に現われる。

②【粘着気質(てんかん)】:筋肉質で筋骨型。非常に粘り強い反面、融通が効かない。

このように、クレッチマーは各々の体格や体型から精神病的な気質の分類を考えました。しかし、こうした分類方法は、現代では明らかに偏見に満ちた方法といえるでしょう。

シュプランガーの【価値」タイプ論

ドイツの心理学者シュプランガーは、性格や人格を「人生の価値観の違い」を焦点とした類型論を提唱しました。シュプランガーの類型論は、【理論型・経済型・芸術型・権力型・宗教型・社会型】の6つの価値観から成り立っています。

①【理論型】:客観的かつ論理的視点から物事を探求しかつ事実を追求するタイプ

②【経済型】:物事への効率性を利己的な観点から重要視するタイプ。損得勘定への価値が重く、財産への関心度は深い

③【権力型】:他者への支配力が強くて勝敗を物事を捉え、権力への関心が深い

④【芸術型】:美的感覚に優れ、美の感性への探求心に価値置く

⑤【宗教型】:神秘や宗教への関心が強く、さらに宗教への価値を重要視する

⑥【社会型】:他者への貢献や協調性に喜びを感じ、愛情を向けることに価値を置く

シュプランガーの類型論は、人生を生きていく中で最も大切な個々の価値観であり、価値観の異なる同士では、相手を知り、相手を理解する努力が必要となるでしょう。

類型論のメリット

類型論のメリットとして、細やかな部分を省略した全体像を示すことができることです。血液型診断のように、繊細な性格を無視して、それぞれの類型に当てはめるという特徴から、直感的に人の全体像を理解することができます。

類型論のデメリット

類型論のデメリットとして、もっとも、その分類方法は、単純かつ明瞭のために、その中間に位置する人のタイプ像の違いを細かく把握しきれないというデメリットが存在しています。

類型論では、そうした繊細な違いを診断できないため、もしも類型論で細かい部分まで把握させるならば、非常に多くの分類を必要とすることでしょう。そのため、現在の心理学の類型論の利用は少ないようです。

特性論とは?

特性論は、人の性格を構成する要素をいくつかに分類した理論です。その要素を量的に分析した上で、人の性格の詳細を把握することが可能です。例えば、「佐藤君は、柔和で真面目だが、細やかなことを気にしにやすい」場合、これは佐藤君の性格を「柔和」「真面目」「細やかなことを気にする」という要素で表わすことになります。こうした要素を「性格特性」と言いますが、要するに、特性論は他者には存在しない「その人独自の特性」を示した診断ということです。

 

なお、特性論では、こうした個々の多種に渡る特性を捉えることが可能ですので、現在の心理学研究では最も多く利用されています。

特性論の代表的な理論

以下より、特性論を提唱した代表的な人物をみてみましょう。

オールポートの特性論

アメリカのオールポートは、人の性格を他者と比較することによって「共通特性(他者との比較可能な特性」と「共通特性(他者とは比較できない特性」の2つに分類しました。

オールポートの提唱により、人間同士の比較が容易となり、性格研究が一気に関心を深めることとなりました。

 

アイゼンクの特性論

ドイツのアイゼンクは、人の特性を、【向性(内向性ー外向性)】【神経症傾向(安定ー不安定)】の2次元、及び【精神病傾向】の3次元に分類し考えました。

なお、アイゼンクは、人の性格タイプは特性から形成に至るとして、類型論と特性論の2つを統合しようとしました。

ビッグファイブの特性論

ビッグファイブの提唱する特性論は、最も信頼性に優れており、世界各地で支持されているパーソナリティ理論です。
これは、人の持つ主要な特性を5つの因子から表わしたもので、オールポート等が考えた提唱を基に、多くの研究者によって認知されました。
ビッグファイブの特性論は、以下の5つの因子に分類して捉えています。
①神経症傾向(N):内面や情緒面での感情・傷つきやすい不安定さ
②外向性(E):外界への社交性・積極的な関わりや興味
③解放性(O):新しい分野への挑戦・好奇心や前向きな度合い
④調和性(A):周囲は他者への同調性・共感した行動
⑤誠実性(C):責任感ある行動・真面目さ
特性論のメリット
特性論は、個人の性格因子を数値化することで、実に細やかな側面を把握することが可能です。

 

特性論のデメリット

一方で、個人の性格の全体像や、直感的に人格を把握するのが困難な点がデメリットといえるでしょう。

また、性格の詳細を数値で表わされているために、他者への説明は難しいと感じる人もいるようです。