16種類の心理タイプを知る「ソシオ二クス」とは?MBTIの違いも解説

自分や他者の性格を16種類に分類し、その深い心理を理解するMBTIについては、多くの人に性格診断として認知されていることでしょう。しかし、その性格同士の相性については謎が多く、MBTIの公式協会においても解明できておりません。他方、ソシオ二クスという理論では、性格同士の相性が細かく決定づけられております。

この記事では、ソシオ二クスとは何か、さらにMBTIとソシオ二クスの違いについて、わかりやすく解説します。

ソシオニクスとは?

ロシアの心理学者であるソシオニクスは、【ユングの性格類型タイプ論】【フロイトの構造論】【ケピンスキーの情報代謝理論】をベースに、オルガ・タンジェマンによって創立されました。

ソシオ二クスとMBTIは、心理機能や4指標の定義においても基本的に異なった見識です。ソシオ二クスではMBTIには存在しない概念を多く盛り込んでおり、より一層複雑化した理論となっています。

なお、ソシオ二クスでは、人格の発達は年齢によって変化するという通常の科学的見解とは異なり、一生を通じて変化しない「16の心理タイプ」があると考えています。

ソシオ二クスはロシア人が主流の性格診断

日本人の「性格診断」と真っ先に思い浮かべるのは「血液型診断」でしょうか。他方、海外の人々は自らの血液型を知らない人が多く、日本人ほど血液型診断は浸透していません。そんな海外の人々が行う性格診断は、多種多様な心理環境から性格を分類する方法をとっており、その中でもMBTIやソシオ二クスについては最も主流となる診断テストなのです。

要するに、日本人にとっての血液型診断が、アメリカではMBTIとなり、ロシア人ではソシオ二クスによる性格診断が主流ということです。

ソシオ二クス8つの心理機能について

ソシオ二クスは、ユングの性格類型タイプ論を改めたもので、ユングの4つの心理機能に対して、MBTIと同じく8つの心理機能を使用しています。

まずは、ユングの提唱した4つの心理機能を改めてみてみましょう。

ユングの提唱した理論

ユングは、「人の心の働きには、外界への働き(外向性)と内向きへの働き(内向性)がある」ことを提唱し、知覚機能や判断機能の存在まで突き詰めました。

知覚機能というのは、人の五感(味覚・嗅覚・触覚・聴覚・視覚)を使用して取り入れた情報を、過去の経験や記憶と比較してどのように判断するかといった機能をいいます。

具体的には、五感を経て、本当に実在するものを感じる(感覚機能=S型)のものか、あるいは、生命の奥底にあって、目には見えない第六感的なものか(直感機能=N型)といった具合です。

こうした感覚機能や直感機能にも、「内向性や外向性」が存在するとユングは考え、「内向的感覚・外向的感感覚」「内向的直感・外向的直感」のように、人の性格を分類しました。

感覚機能とは?

情報を感じ取る際の心理的傾向には、「感覚」と「直感」をユングは考えてますが、ここでは感覚機能についてみてみます。感覚タイプは、五感によってありのままの情報を具体的に捉えるのを好みます。それは、身体によって感じ取る感覚情報ということです。感覚機能に備わる「内向的感覚」というのは、経験・伝統やルール・歴史的価値観や規律正しさを意味しています。また、「外向的感覚」というのは、具体的な経験の繰り返しと体験に対する強さを意味しています。

知覚機能と同じく、人間の持つ豊かな感性をポイントに置く(F型)、あるいは、物事の善悪に対する倫理感をポイントとする(T型)といったように分類し、内向性と外向性を捉えました。なお、F型は感情の心理機能、T型は思考型心理機能といいます。

※ソシオ二クスは、ユングの提唱する知覚/判断という分類方法ではなく、心理機能が持ち合わせる合理性について分類されたものです。

ソシオ二クスとMBTIの違いとは?

それでは、ソシオ二クスとMBTIはどのように違うのでしょうか。以下より具体的にみてみましょう。

心理機能についての違い

 

  • 【MBTI】
    • MBTIは静的なタイプとされており、第一機能から劣勢機能までの4つの心理機能によって描かれています。
  • 【ソシオ二クス】
    • ソシオ二クスのタイプは動的なものであり、第一機能から第八機能まで描かれています。

また、ソシオ二クスでは【潜在意識】及び【顕在意識】といった分類方法を用いており、それぞれ8つの心理機能を当てはめています。(こうした体系を〝モデルA〟と呼んでおり、内向型タイプのモデルAは、MBTIによるものとは違います。

性格タイプ表記方法の違い

MBTIでのF型は「感情型」ですが、ソシオ二クスではE型の「倫理型」になります。また、MBTIのN型は「直感型」ですが、ソシオ二クスではI型になります。さらに、MBTIのT型は「思考型」ですが、ソシオ二クスではL型の「論理型」になります。

このように、MBTIでは、人間の持つ気質ごとに(NT・NF・SP・ST)とグループ分けしてます。

他方、ソシオ二クスでは16個あるソシオタイプを【クアドラ】という4つのグループ(アルファ・・ベー・・、ガンマ・デルタ)に分けています。

 

また、表記方法の違いとして、MBTIは(外向型/内向型)(直感型/感覚型)(思考型/感情型)(柔軟型/判断型)という順序で表記しますが、ソシオ二クスでは(第一機能+第二機能+内向/外向という表記になります。

下記は、MBTIとソシオ二クスのタイプ表記です。

ソシオ二クスによるタイプ表記は、4文字目の小文字が内向型の場合にのみMBTIのアルファベットと反対になります。

 

  • 【MBTI】
    • 周囲や他者との付き合いを考える時、まずは個人間の相性と性格タイプにおける相性を検討する必要があります。
    • MBTIでは全ての関係は異なり対称的なものと考えています。よって、MBTIでは自分対他者との相性を理解するには困難といえます。もっとも、MBTIでの性格タイプ数は、16個のみに制限されています。
  • 【ソシオ二クス】
    • ソシオ二クスでは「モデルA」を基としたタイプ間の関係性の理論が備わっています。そのため、ソシオ二クスによる人間間の相性は非常に理解しやすいことでしょう。
    • また、ソシオ二クスによる性格タイプ(サブタイプ)数は、32個以上存在しており、現在でも各々のタイプによる関係性の研究もなされています。